最終更新日 2024年2月14日
中間管理職という立場をいただいてから、14年ほど経ちました。
その間、部下や同僚、後輩、業者さまなど多くの人とお話する機会をいただき、相手の信頼を得るためには、私の話の聴き方が大きく影響を与えるのだと気付きました。
今回は、私の経験から気付いたことをお話します。
相手の話を聴くよりも伝えることが大切と思っていた時代
私が中間管理職という立場をいただいたのは、今から14年前。「今日からこのメンバーがあなたの部下です。」と言われ、どのようにマネージメントしていったら良いか分からずにいました。
頼りにしたのは、書籍。ピーター・F・ドラッカーや松下幸之助など、多くの本を読みました。
当時を振り返ると、「上司は、部下に役立つことを伝えなければならない」と思い込んでいました。なので、情報を仕入れては、部下に伝え、自分自身の価値を高めようと懸命になっていました。
自分の言いたいことだけを伝え、部下の話は必要がないと聞かない。その上、部下から話しかけられた時、パソコンを操作しながら、背中で話を聞いていました。
自分の仕事が最重要で、常に忙しさを体一杯で表現していたので、部下は気軽に話しかけることができなかったそうです。
当時のことを「小林さんに話しかける時は、みんな気を使っていましたよ」と話してくれました。
傾聴の意味とレベルを知り、受けた衝撃
2014年からコーチングを学び始めました。そこで、私は『積極的傾聴のスキル』に出会います。
そして、積極的傾聴スキルのレベルを知りました。
レベル-1 無関心 相手の話を上の空で聞き流している段階
レベル0 自己本位 自分の関心のある部分しか聞かない段階
レベル1 要約だけ 相手の立場に立って言わんとする内容を理解する段階
レベル2 要約・共感 相手の気持ちを感じながら、話の内容を理解する段階
レベル3 要約・共感・受容 自己の価値観と違えども、相手の全てを一旦受け入れる段階
このレベルを聞いた時、私のレベルは、『0』だったのだと気付きました。忙しかったり、不機嫌だった時は『−1』だったかもしれません。。。
話を聴いているだけで、相手が気付き、修正してゆく
積極的傾聴スキルのレベルを上げたいと思っていた頃、私は人事の仕事をしていました。そして、とある部署の一般職の社員全員と面談をする機会を得ました。約60名。顔を見て話をするのは初めてだという人も多くいました。
そこで、傾聴の凄さを体感したエピソードがあります。
その方は、会社に言いたいことがたくさんあったらしく、面談が始まった直後にメモを取り出し、勢いよく話をし始めました。
私は、積極的傾聴スキルのレベル3を意識しました。『相手の全てを一旦受け入れる』です。
相手の話を「そうなんだね」「そう思ったんだね」「そっか、そっか」と伝えながら、ただ、ただ聴いていました。
あっという間の30分が経過しようとした時、
「私、愚痴ばかり言っていますね。けど、この仕事好きなんです。頑張ります」と伝えてくれました。
当時は、どうしてこのようなことが起きたのか、深く理解することができませんでしたが、とても驚きました。
自分が言った言葉を一番よく聴いているのは、自分自身。
自分の話を聴いてくれている相手が、話を否定したり、忠告したり、意見を言ったりしなければ、自分の言葉を内側に向かせることができるのだと思います。そして、自分の気持ちと向き合い、本当はどうしたいのかを理解できたら、自ずと意識と行動が変わっていきます。
相手の話の聴き方の極意とは
相手の話に興味・関心を持つこと
相手の話を否定することなく、忠告することなく、自分勝手な意見を言うことなく、相手の話を聴くと、相手は心を開いてくれ、本音を語り始めてくれます。
そして、相手が伝えてくれた本音をそのまま伝え返します。
「あなたは、こう(相手が言ってくれた言葉)思っているのですね。」そう話をするともっと相手は心を開いてくれ、もう一段深い話をしてくれます。そして、信頼感は深まります。
いかがですか?
意識しないと最初は難しいと思いますが、相手の話に興味・関心を持って、相手が伝えてくれた言葉をそのまま繰り返していくと、相手との信頼関係が深まり、相手は自ら意識と行動をより良い方向へ変えていきます。ぜひ、試してみてください。