話すは“放つ”
『自己開示』は大切な人との信頼関係を築くうえで欠かせません。
自分はどんな人間で、どんな人生を歩んできたか、自ら自己開示をすることで、相手も自己開示をしてくれやすくなり、お互いの距離が縮まるのです。
今回は、人前で話すのが苦手な私が、『自己開示』を通じて感じたエピソードをご紹介します。
自分史の発表
先日、私は自分が歩んだ人生を記す『自分史』を発表する機会がありました。自分史とは、今まで生きてきた人生の
- 楽しかったこと、嬉しかったこと
- 辛かったこと、悲しかったこと
- 大きな決断をしたこと
を、「ありのまま、素直に話す」というものです。
発表すると決まった時、私は「同じ会社で働くメンバーなのだし、この人たちになら話せる。」と思い、精一杯の自己開示をすると決めていたのです。
しかし、いざ発表をしてみると、“自分と向き合う”ということは思ったよりも大変で、
- 楽しかったことよりも辛い記憶がよみがえる。
- 思い出したくなかったことがたくさんある…。
- こんな私をみんなはどう思うかな…。
発表後、たくさんの承認のフィードバックを頂けたのですが、私のこころの状態は素直に受け入れることができず、これで良かったのかな…?と、こころに疑問が残りました。
そんな私を見ていた、上司である小林さんが私に言ってくれた言葉があります。
話せたことが素晴らしかったよ。
「話すは“放つ”」というように、自分を話す機会はとても大切なこと。
自分が感じていることが正しくて、大変なことかもしれないけれど、自分と優しく向き合ってみてね。
不思議なことに、この言葉は私の心の中にスッと入ってきたのです。
自己開示をすることでたくさんの勇気をもらう
過去の自分と向き合い、自分を解放すること…。相手に本来の自分を知ってもらうこと…。
嫌な思い出や過去に蓋をするのではなく、“これもわたし”と解釈を変えること…。
そんなふうに考えていたら、拒否をしていたこころがだんだん許してくれて、人前で話すのが苦手な私が、自分の過去について話せたことは、大きな一歩だったと思える様になったのです。
私を受け入れてくれる人たちがいて、たくさん勇気をもらうことができたのも、私が「話すことができたから」。
自己開示をすることは、簡単なことではないけれど、大切なひととの人間関係、自分との人間関係が、よりよい関係になるためには重要なことだと感じます。
そう気づかせてくれた、大切なエピソードです。