最終更新日 2025年12月11日
こんにちは、矢島です。
ひとのことでは、「わたし」らしく、笑顔でイキイキと過ごせるための学びの情報を発信しています。
「あの、あれ、ほら、あの時の…」と、言いたいことがなかなか言葉にならず、もどかしい気持ちになった経験はありませんか？
会議で自分のアイデアをうまく説明できず、誰かに先を越されてしまったり。好きな人に「この気持ちを伝えたい！」と思っても、胸のモヤモヤを言葉にできず、結局何も言えなかったり。
「もっと言葉の引き出しがあれば、こんなことにはならなかったのに…」
そう感じたことがあるあなたは、もしかすると、語彙力に苦手意識を持っているのかもしれません。でも、大丈夫。語彙力は、特別な才能や勉強が必要なものではなく、誰でも楽しみながら、少しずつ増やすことができる「心の筋肉」のようなものです。
このコラムでは、「あれ」「それ」から卒業して、自分の気持ちをすっきりと伝え、人との関係を心地よいものにするためのヒントをお伝えします。
なぜ「語彙力」が足りないと、心と心がすれ違うのか？
まず、なぜ語彙力がないと、私たちは言葉の壁にぶつかってしまうのでしょうか。
それは、言葉が「思考の道具」であり、「感情のラベル」だからです。
たとえば、誰かの言葉に傷ついたとき。「なんか、むかつく…」という一言で済ませてしまうと、怒りの奥にある本当の気持ちが見えなくなってしまいます。
「寂しい」: 期待していた言葉がもらえず、心にぽっかり穴が開いたみたい
「悔しい」: なぜ自分だけこんな目に遭うんだ、と不公平に感じる
このように、同じ「むかつく」という感情でも、その奥にはさまざまな気持ちが隠れています。語彙が豊かであれば、自分の感情を細かく分類し、適切な「ラベル」を貼ることができます。自分の気持ちを正確に理解することで、どうしてこんなにイライラするんだろう、という心のモヤモヤがすっきりと整理され、落ち着いて対処できるようになります。
逆に、言葉の引き出しが少ないと、自分の気持ちをうまく言語化できず、相手に「こんなに怒っているのに、どうしてわかってくれないの？」と、一方的にイライラをぶつけてしまいがちです。それが、人間関係のすれ違いや、誤解を生む原因になるのです。
「言葉の貯金箱」を増やす小さな習慣
語彙力は、日々の生活の中で少しずつ育てていくものです。貯金のように、毎日少しずつ「言葉の貯金箱」に新しい言葉を貯めていく習慣を身につけましょう。
習慣①：今日から「言葉ハンター」になろう！
スマホをただ眺めるだけでなく、言葉を集める「言葉ハンター」になってみませんか？
読書、漫画、映画: 本や映画に出てくる、心を揺さぶられたセリフや表現をメモする。「たゆたう」「機知に富んだ」「侘しい」…そんな日常ではあまり使わない言葉も、見つけたらすぐにメモ。「こんなふうに表現すればいいのか！」という発見の連続です。
テレビやラジオ: ニュース番組やバラエティ番組で、アナウンサーやタレントが話す言葉に耳を傾けてみましょう。「〜するに足る」「〜の真骨頂」といった表現も、音声で聞くことで自然と頭に入ってきます。
SNSやWebコラム: 好きなインフルエンサーや作家が使っている、素敵な言葉や言い回しをスクリーンショットで保存しておくのもおすすめです。「エモい」だけでなく、「ノスタルジック」「センチメンタル」など、もう少し掘り下げた言葉も探してみましょう。
習慣②：感情の「グラデーション」を表現してみる
私たちは、感情を「嬉しい」「悲しい」「イライラする」の3つに分類しがちです。でも、感情にはもっとたくさんの「グラデーション」があります。
例えば、「イライラする」という感情。その奥には、次のような気持ちが隠れているかもしれません。
憤慨（ふんがい）: 「なぜこんな理不尽なことをするんだ！」と、強い怒りを感じる
苛立ち（いらだち）: 「もう、いちいち指示しなきゃいけないの…」と、些細なことにうんざりしている
今日から、日記やメモで、自分の感情をできるだけ細かく言葉にしてみましょう。
- 「今日は、なんだか心がざわざわして落ち着かなかった」
- 「上司に褒められて、誇らしい気持ちになった」
- 「一人で歩く夜道が、少し心細かった」
このように、自分の心の動きを観察し、ぴったりくる言葉を探す習慣をつけることで、自然と感情を表現する力が鍛えられます。
習慣③：「言葉の連想ゲーム」で頭の体操を！
通勤電車の中や、お風呂の中、ちょっとした隙間時間で、頭の中で「言葉の連想ゲーム」をしてみませんか？
例えば、「雨」という言葉から、どんな言葉を思いつきますか？
- 雨: 傘、水たまり、梅雨、雨音、雨宿り、長靴…
- 雨: しとしと、ざーざー、土砂降り、霧雨…
- 雨: 憂鬱、物悲しい、浄化、恵みの雨…
このように、一つの言葉からたくさんの言葉を連想することで、語彙のネットワークがどんどん広がっていきます。
「伝わる言葉」が、人間関係を心地よくする理由
語彙力が身につくと、どんないいことがあるのでしょうか。
理由①：相手に「寄り添う力」が育つ
言葉は、相手の心を理解するための大切なツールです。
例えば、友人が「最近、仕事がうまくいかなくて…」と悩んでいるとき。
語彙力が少ない場合: 「大変だね。頑張って！」
語彙力が豊かな場合: 「なんだか心身ともに疲弊しているように見えるよ。何か胸にわだかまっていることがあるなら、聞くことしかできないけど、いつでも話してね」
いかがでしょうか？ 後者の方が、相手の心に寄り添い、深く理解しようとする姿勢が伝わってきませんか？ 語彙が豊かになると、相手が抱えている感情や状況をより正確に汲み取り、適切な言葉をかけることができるようになります。それは、相手に「この人は自分のことをわかってくれる」という安心感を与え、信頼関係を築く上でとても重要なことです。
理由②：自信を持って自分を表現できる
語彙力がつくと、自分の考えや気持ちを明確に、論理的に伝えられるようになります。
「なんか、こういう感じ…」とごまかさなくても、「こういう理由で、私はこう思う」と、きちんと説明できる。それは、発言への躊躇をなくし、自分に対する自信にも繋がります。
たとえば、プレゼンや会議で意見を求められたとき。
「うまく言えないけど、個人的な感想としては、この企画は少し非現実的に感じるんですよね。もう少し、実現可能性を検討した方がいいんじゃないでしょうか」
このように、自分の意見に「個人的な感想」や「非現実的」「実現可能性」といった言葉のラベルを貼ることで、言葉が持つ説得力が増し、相手に「この人は自分の考えをしっかり持っているな」という印象を与えます。
理由③：会話が楽しくなり、新しい繋がりが生まれる
語彙力が豊かになると、会話がよりスムーズに、そして豊かになります。
共通の話題がなくても、相手の言葉に耳を傾け、より深い質問を投げかけることができるようになります。
「〜ってどういうこと？」と尋ねることで、相手は「この人は自分の話に興味を持ってくれている」と感じ、さらに心を開いてくれます。そこから、新しい発見や、思いもよらない繋がりが生まれることもあります。
語彙力は、特別な才能ではなく、誰でも少しずつ育てることができる、あなたの人生を豊かにするツールです。
「あれ」「それ」で会話を終える日々から、自分の心をすっきりと表現し、相手と心を通わせる言葉を手に入れる日々へ。
このコラムが、あなたの言葉の世界を広げるきっかけになれば嬉しいです。さあ、今日から一緒に、新しい言葉を見つける旅に出かけましょう。
合わせて読んでみてください
自分の気持ちを言葉にすることは、思っているより怖くない。むしろ、人間関係がラクになるための鍵になります。
「察して欲しい」から「伝えてみる」への実践ステップを伝えています。こちらもご覧になってください。
今以上に相手と良い関係性を築きたいと思っている方へ
もっと相手のいいところに気付けるようになりたいと思っているなら、『人のいいところに気づけるようになる7日間メールセミナー』を受け取ってみませんか？
このメールセミナーでは、自分自身と相手の美点を見つけ、認めることで、より豊かな人間関係を育むための手法を学びます。7日間で、人の欠点ではなく、いいところに気付けるようになることを目指しています。こちらもご覧になってくださいね。
心が楽になる ほっとする魔法の言葉のご紹介
相手とより良いコミュニケーションを取るためには、まず自分の心の状態を良くすることがとても大切です。あなたの心にそっと寄り添う「心が楽になる言葉」を集めました。こちらもご覧になってくださいね。
あなたが「あなたらしく」笑顔でイキイキと過ごせるための魔法の言葉をInstagramで配信中です。
