MENU

「ご機嫌」は相手との関係ではなく、自分との対話から生まれる

じぶんのこと

「ご機嫌」は相手との関係ではなく、自分との対話から生まれる―外に向いた矢印を自分に向け直そう―

最終更新日 2026年9月23日

こんにちは、矢島です。
ひとのことでは、「わたし」らしく、笑顔でイキイキと過ごせるための学びの情報を発信しています。

「あの人、今朝からなんだか機嫌が悪そう……。私、何か失礼なことを言っただろうか」
「お願いしたメールの返信がそっけない。もしかして怒らせてしまったのかな」

職場や日常の人間関係の中で、誰かのトゲのある一言や、いつもと違う表情に触れた瞬間、胸の奥がきゅっと締め付けられる。そんな経験はありませんか?

かつての私は、まさにそうでした。

特に「認めてほしい」「頼りにされたい」「良く思われたい」と思う相手ほど、その人の表情や声のトーンが気になって仕方がありませんでした。

相手が少しでも不機嫌そうだと、
「私、何かしたかな」
「あの言い方がまずかったかな」
「もしかして、嫌われた?」
と、自分の言動を頭の中で何度も巻き戻して、一人反省会をする。

そして、その場の空気を和らげようと、必要以上に明るく振る舞ったり、先回りして相手が喜びそうなことをしたり、無理に笑顔を作ったりしていました。

今思えば、相手の機嫌を取ることで、自分を安心させたかったのだと思います。

相手が笑ってくれれば、「大丈夫だった」と安心できる。
いつものように話しかけてくれれば、「嫌われていなかった」とホッとする。

でも、どれだけ気を遣っても、私の心が本当の意味で穏やかになることはありませんでした。
むしろ、人と一緒にいる間はずっとアンテナを張っているので、家に帰る頃にはぐったり。

「どうして私は、こんなに人の言葉や態度に振り回されるんだろう」そう思っていました。
今振り返ると、私は自分の「ご機嫌」のハンドルを、相手に渡していたのだと思います。

このコラムでは、相手に向けていた矢印を自分に向けることによって自分のご機嫌を自分でつくれる方法をお伝えします。

「自分の機嫌は自分で取る」とは?

「自分の機嫌は自分で取る」
最近では、よく耳にする言葉になりました。私も、とても大切な考え方だと思っています。

ただ、これは「嫌なことがあっても笑っていよう」とか、「ネガティブな感情を自分で何とかしなければならない」という意味ではないと思うのです。

悲しいときは、悲しい。
腹が立つときは、腹が立つ。
誰かの言葉に傷つくことだってあります。感情そのものをなくすことはできません。

大切なのは、感情が生まれたときに、その理由をすべて相手に求めないこと。

「あの人のせいで私は不機嫌になった」
「あの人が変わってくれたら私は楽になれる」
「あんな言い方をしなければ、私は傷つかなかったのに」

そうやって外側ばかりを見ていると、自分の心を整える力まで相手に預けることになります。
だから私は、外側へ向いている矢印を、一度、自分へ向け直すことが大切なのだと思っています。

「私は今、何を感じているんだろう」
「どうして、この言葉がこんなに気になったんだろう」
「本当は、どうしてほしかったんだろう」

相手と対話する前に、まず自分と対話してみる。
私にとって「自分の機嫌を自分で取る」とは、そんなセルフコミュニケーションのことなのです。

相手の言葉を、自分の中に入れすぎない

人の言葉に傷ついたとき、私たちは「相手にこんなことを言われたから傷ついた」と思います。
もちろん、言葉には力があります。
心ない言葉に傷つくこともありますし、相手の言い方に問題があることだってあります。
だから、何を言われても「自分の受け取り方が悪い」と考える必要はありません。

でも、ここで一つ大切にしたいことがあります。
それは、相手の言葉を、そのまま自分の中に入れすぎないことです。

たとえば、上司から、「もっとちゃんと考えて」と言われたとします。

その言葉を聞いた瞬間、
「私は考えが浅いんだ」「仕事ができないと思われている」「やっぱり私はダメなんだ」
と、自分の中で言葉をどんどん膨らませてしまうことがあります。

でも、上司が実際に言ったのは、「もっとちゃんと考えて」という一言だけです。

その言葉が適切だったかどうかとは別に、その先にある「私はダメだ」まで相手が言ったわけではありません。そこから先は、自分自身が自分に語りかけている言葉なのです。ここに気づくことは、とても大切だと思っています。

相手の言葉に傷ついたときほど、

「相手は何と言った?」
「私は、それをどう受け取った?」
「そして私は、自分に何と言っている?」

と、一度立ち止まってみる。

相手の言葉と、自分の中で生まれた言葉の間に、ほんの少し距離をつくる。その小さな余白が、自分の心を守ってくれます。

私たちは「出来事」だけに反応しているわけではない

この考え方は、心理学にも通じるものがあります。
認知行動療法では、ある出来事が起きたから直接感情が生まれるのではなく、その間に「自分がどう受け止めたか」があると考えます。

たとえば、あなたが渡した書類を上司が無言で受け取ったとします。
事実は、「上司が無言で書類を受け取った」それだけです。

ところが私たちは、そこに無意識に意味を加えます。
「怒っているのかもしれない」
「私の仕事に不満があるのかもしれない」
「嫌われたのかもしれない」
そう受け取れば、不安になったり、自分を責めたり、必要以上に相手の顔色をうかがったりします。

でも、
「急いでいるのかもしれない」
「別のことを考えているのかもしれない」
という可能性もあります。

つまり、自分を苦しくしているものが、必ずしも「相手の態度そのもの」とは限らないのです。
心理学では、自分の感情から少し距離を取り、自分自身を客観的に眺めることが、感情を整える助けになると考えられています。
「どうして私はこんなに気にしてしまうんだろう」と自分を責めるのではなく、

「ゆうこさんは、どうしてこんなに気になったのかな?」と、まるで大切な友人に尋ねるように自分へ問いかけてみる。すると、感情の真ん中にいた自分が、ほんの少しだけそこから離れて、自分を眺められるようになります。

自分との対話とは、自分を説得することでも、自分の感情を消すことでもありません。「そう感じたんだね」と、まず自分の声を聞いてあげることなのだと思います。

心がザワついたとき、私がしている3つのこと

では、人の言葉や態度が気になってしまったとき、どうすればいいのでしょうか。私は、外に向いた意識の矢印を自分に戻すために、3つのことを大切にしています。

1.まず、自分の身体を見る
以前の私は、相手の態度が気になると、「どうしてあんな言い方をしたんだろう」「何か怒っているのかな」と、相手の心理ばかり考えていました。

でも今は、まず自分に聞きます。
「ゆうこさん、昨日ちゃんと眠れた?」「お腹、空いてない?」「ちょっと疲れてない?」
人の反応に敏感になっているとき、実は自分自身が疲れていることもあります。睡眠不足だったり、仕事が立て込んでいたり、余裕がなくなっていたり。同じ一言でも、自分に余裕がある日と疲れ切っている日では、受け止め方がまったく違うことがあります。
「相手が冷たいから落ち込んでいる」と思っていたけれど、「今日は私が疲れているから、いつも以上に気になっているのかもしれない」そう気づくだけでも、少し距離を取ることができます。

2.「事実」と「解釈」を分ける
次に、「実際に起きたことは何?」「私はそこに、どんな意味をつけた?」と考えます。

「無言で書類を受け取った」は事実。
「怒っている」「嫌われている」は私の解釈。

もちろん、その解釈が正しいこともあるでしょう。でも、「そうに違いない」と決めつけない。「もしかしたら違うかもしれない」という余白を残しておく。それだけで、一つの考えに縛られていた心が少し緩みます。

3.「相手のため」を「自分のため」に変える
そして最後は、相手をどうにかしようとすることから少し離れて、自分が心地よくなることをします。
温かいお茶を飲む。深呼吸をする。少し席を離れる。今日は早く眠る。
そして、「今日もよく頑張ったね」「今、何がつらかった?」「本当はどうしたかった?」と、自分に声をかけてみる。誰かに優しくするように、自分にも優しく話しかける。これも立派なコミュニケーションです。

一番長く付き合う相手は「自分自身」

人の顔色をうかがうことは、相手を大切にしているように見えることがあります。私自身も、長い間そう思っていました。でも、自分を置き去りにしたまま相手を優先し続けると、「こんなに気を遣っているのに」「どうして分かってくれないの?」という思いが、少しずつ心の中に溜まっていきます。

だからこそ、まず自分との関係を整える。

相手が不機嫌そうなときも、「私が何とかしなくちゃ」ではなく、「あの人には、あの人の事情があるのかもしれない」と、少し離れたところから見る。そして自分には、「私は今、どう感じている?」「私はどうしたい?」と問いかける。

相手の感情は変えられなくても、自分がどう受け止め、自分をどう大切にするかは、少しずつ選び直すことができます。自分をご機嫌にできる人とは、いつも明るく笑っている人ではないと私は思います。悲しい自分も、腹を立てている自分も、疲れている自分も、「そう感じているんだね」と受け止めて、自分に必要なものを自分で与えてあげられる人。

そんなふうに自分との対話が変わっていくと、不思議と、人との関係にも少しずつ余白が生まれてきます。誰かの機嫌に巻き込まれそうになったとき。外に向いている矢印を、ほんの少しだけ自分へ向けてみてください。「大丈夫。今、何を感じている?」あなたの人生で、最初から最後まで一緒にいるパートナーは、あなた自身です。

相手の言葉を自分の中に入れすぎず、自分の声にも耳を傾ける。その小さなセルフコミュニケーションの積み重ねが、自分のご機嫌を自分でつくれる毎日につながっていく。私は、そう思っています。

合わせて読んでみてください。

自分自身の受け取り方を変えたいと感じた方は、こちらの記事もぜひ参考にしてみてくださいね。

自分自身を見つめることから始めませんか?

相手とより良いコミュニケーションを取るためには、自分自身を見つめることが大切です。
自分を整えられる方法を知り、習慣化できるように『28日間で自己愛を育む無料セミナー』を提供しています。
ぜひ、受け取ってみてください♪

あなたが「あなたらしく」笑顔でイキイキと過ごせるための魔法の言葉をInstagramで配信中です。

この記事を書いた人

関係性デザイン

矢島 有子

相手のために一生懸命頑張って行動しているのに『幸せじゃない・・』と思 っている人に、『相手のため』を『自分のため』に変えることによって得ら れる変化を提供していきます。

「わたし」らしくを、学ぼう

プライバシーポリシー 運営会社

Copyright © hitonokoto