最終更新日 2021年9月19日
人材教育において、一旦立ち止まり、自分の仕事の進め方、行動、考え方などを振り返り、自分を見つめ直すことを「リフレクション」といいます。
今回は、「リフレクション」を行うことによって、何故組織力が高まるのかを解説していきます。
リフレクション(reflection)とは
リフレクション(reflection)とは「内省」の意味です。
人材教育において、一旦立ち止まり、自分の仕事の進め方、行動、考え方などを振り返り、自分を見つめ直す機会を言います。
そして、その見つめ直す事で気づきをもとに行動変容していくことは重要だと言えます。
人材教育を組織力強化に結び付けるには段階があります。それは自分自身を整え、身近な人との信頼関係をつくり、組織でまとまって課題解決して行く、1人称・2人称・3人称のステップです。このステップに則してリフレクションの機会を設ける事が求められます。
1人称:自分軸を作るリフレクション
自分軸とはそもそも何を指すのかは諸説あります。
「何が我なのか」
「〇〇といえばAさん」
「個人のものの見方考え方」
「価値観」など
どれも自分自身を理解する、自己理解・自己認知を深める事を指します。
自己理解を深める為には、俯瞰が求められます。この機会がリフレクションです。人には意味と価値を感じる力があります。この出来事はなぜ起きたのか?どんな意味があるのか?自分はどうしたいのか?問いを立てる事で俯瞰し、内省し、目の前の出来事に意味と価値を感じる事で自分を整える。
この習慣を持てれば周囲への良い影響を発揮できるようになります。
2人称:リフレクションと人財育成
自分を理解する為のリフレクションの機会を習慣化すると望ましいのですが、多くの人はこのような機会は持てません。
敢えてリフレクションの機会を設けるのが、人材育成をしてのリフレクションです。
効果的な方法のひとつは、体験→省察→概念化→実践の経験学習のサイクルを回す事です。
実際の仕事を体験させ、体験させるだけなく、対象者自身に何が良かったのか、次にどうしたらよいのかを考えさせ、気づかせることが重要です。この『自ら考え、気付くという』時間がリフレクションです。
内省した上でも気づかない時のアドバイスはとても有効的で人材育成のスピードを速める結果となります。
3人称:組織力とリフレクション
最後のステップは、組織としての課題解決にリフレクションを用いることです。
組織は様々な人達が集っていますが、大きく2つのタイプに分かれます。
それは感性タイプと思考タイプです。どちらも必要はタイプなのです。
感性タイプは出来事の本質をとらえようと何故この出来事が起きたのか?本当はなんて言いたいのか?物事を深める役割を果たしてくれます。
思考タイプはどうすれば最善なのかの方法論を考えてくれます。思考タイプは意思決定を高める役割を果たしてくれます。
この二つのタイプが対立することなく対話にて課題解決して行くのが組織力強化に有効的です。ですからリーダーになった人は課題解決に際し、出来事をリフレクションし、WHY思考とHOW思考の両方の問いを立て課題解決の為のアイデアを出し合い、合意形成を図り、意思決定してゆくことで組織力の強化につなげる事が可能になります。
リフレクションは、振り返る事だけで終わらせる事無く、それはなぜ起きたのか、だからなんなのか、ではどのように行動するのか、と繋げることによって成長すると言えます。
まとめ
人材育成に繋げるリフレクションに初めて注目したのは、マサチューセッツ工科大学のドナルド・ショーンであるといわれています。
組織学習の研究の際に、さまざまな職種の人達を観察しました。その結果、彼らは働きながら、変化する状況を振り返り、自分はどうあるべきかを考えていることに気づいた、といいます。こうした仕事のあり方を彼は「行為の中の内省(reflection in action)」と名づけました。
リフレクションを自身の為の内省に活用すると自身への問いが気づきと周りへの良い影響力に繋がります。目の前の人との関係性に於いては、リフレクションによって経験学習が進み、リフレクションで個性を発揮してくれると生産性が高まります。
つまり、リフレクションを行うことによりマネジメント能力を高めることができます。また、業務の改善・効率化も期待でき、チーム全体の行動の改善、業務の効率化につなげることもできます。この習慣化が自律的なリフレクションを促していくことにもなります。
是非、リフレクションをステップごとに実施し、組織力を高めてゆきましょう。